Día 13. 世界一派手かもしれない教会へ

ひょんなことから行ってみた

2013年4月23日、火曜日の午前中。私が「サルカハ(という村)に行きたい」と言ったら、タカさんがうーんうーんと考えてくれた結果「連れてってあげる」ということになった。なんだかんだでスペイン語学校の生徒が何人かと、先生一人も一緒のけっこう大人数になツアーに。

タカさん的に、一箇所だけ行くのはもったいないから…と、当初私は興味のなかったSan Andrés Xecul(サンアンドレス・シェクル)という村へ。ここには、グアテマラでは珍しく原色のカラフルな色彩の教会がある。


シェラからチキンバスに乗り、クアトロカミノスという停留所の手前で降りて、ピックアップ(軽トラックの荷台に乗ること。グアテマラでは一般的な交通手段)に乗る。天気がよく、気持ちよかった。


▷グアテマラの田園風景

本当に黄色い…!

さてついてみると、噂通りの真っ黄色で派手派手な教会が目の前に!

周囲の環境とはまったく馴染まない唐突な黄色で、すごくインパクトがある。手前の広場は閑散としていて、こじんまりとした市が開かれていた。

装飾は立体的で、デフォルメされた人間(というか、たぶん天使)がたくさん飛んでいる。本場ヨーロッパの教会からは想像もできないポップさ。表情は点と線。ゆ、ゆるい…。これがグアテマラ流な解釈なのか。

色使いはどことなく東欧っぽい気もする。


まわりの建物の外壁も、引っ張られて(?)同じ黄色になっていたり…。

小さな木の置物にして飾っておきたいなぁなんて思う。世界中の教会を木でかわいらしく作ったら(あくまで小さく)、シリーズとして売れそう。誰か実現してくれないかなぁ。

グアテマラの宗教観

ここはキリスト教(カトリック)の教会。グアテマラはスペインに侵略された過去があるのでキリスト教が支配的なのだけれど、土着の宗教と混ざって発展したため、教会の作り方もこんな風に個性的に。

ヨーロッパの教会を見慣れていると、キリスト教の教会ってああいうもんなんだと思いがちだけれど、宗教は形がないものだから行く先々で少しずつ変容するんだなぁと実感した。


ちなみに先日訪れたスニルには、カトリックが変容しすぎて全然違う宗教のようになってしまった、という神様がいる。「サン・シモン」と呼ばれるその神様はどう見ても神様に思えず、あっちの人ですか?…というビジュアル。サングラスに葉巻、黒いスーツに赤いネクタイ。超あやしい。

私はサンシモンの写真を撮らなかったけれど、以下のサイトに詳しく載ってます。

この地にスペイン人が侵攻したのが1500年代。スペイン人は当時住んでいたマヤ系先住民にキリスト教を布教しました。しかし、先住民はもともとあった土着の信仰(石彫の前で香を焚いて祈りを捧げるなど)を捨ててはいませんでした。スペイン人の監視をあざむくために、サンシモンに西洋風(スペイン風)の衣装を着せて、自らの信仰を守ったそうです。
グアテマラに衝撃的な姿の神様がいるというので会いに行ってきた/GIGAZINE

これを読むと、日本のかくれキリシタンに通ずるものを感じる。


グアテマラの人は基本陽気なので(チキンバスでは常に大音量で陽気な音楽がかかっている)、サン・シモンのような神様に葉巻やお酒をあげて「楽しんでくれ〜」と労る(?)のがハッピーな宗教観なのかもしれないなぁ。

同様にサン・アンドレス・シェクルの教会も、好きなようにデコっちゃおうみたいな感覚…だったのかもしれない。



▷教会の中から外を見る


この後お目当てのサルカハに行ったのだけれど、あまり時間がなくゆっくり見れなかったので、結局もう一度後日一人で行くことに。その話は、また改めて。


(Apr. 24, 2013)