Día 4-2. 華やかな衣装と青空ランドリー
2013年4月14日。アンティグアから訪れたもうひとつの村はSanta María de Jesús(サンタマリアデヘスース)。アンティグア滞在3日目、サンアントニオへお目当ての布を買いに行く前に、実はこの村へも足を運んでいた。
…旅行となると、どうも予定を詰め込みすぎてしまう癖がある。貧乏性なんだと思う。特に一人旅の場合は食事にあまり時間がかからないので、一日に二つの村を訪れるなんてことも平気でやってしまう。人より体力がある方では全然ないのだけど、旅先では好奇心に突き動かされ、気力で行動してしまう…。
何もしないでのんびり過ごす、大人贅沢な旅ができる日は来るんだろうか!?
これもチキンバス、なの?
サンタマリアは、アンティグアの街からも見えるアグア火山のふもとにある。標高2050mということで高山病を心配していたけど、少しの滞在ならまったく問題はなかった。登山の入り口として訪れる人もいるらしいけど、いろんな意味で危ないから(強盗とか)、絶対に一人で山を登ってはいけないらしい…。
ここへ行くのもまた厄介だった。
サンアントニオの時に学んだように、
「Santa María」と書かれたバスが当然あるだろうと思ったのに、ない。ウロウロしていたらそのへんに座っていたオジサンが声をかけてくれた。おそらく「どうしたの?」といった感じで。
「えーと……サンタマリーア」
とだけ言うと、
「サンタマリーア!向こう側だよ」
と教えてくれた。でもそれ以上のスペイン語は全く理解できないので困っていると、もうひとりのおじいさんが
「よっしゃ連れてったるよ、ついてこい」
と言わんばかりに、バスまで案内してくれた。(なんて親切なんだろう!)
おじいさんが
「あれ!ロッホ!ロッホ!(rojo=赤という意味)」
と指を差す。それが、大きなチキンバスではなく真っ赤なハイエースなのだ。
(普通の車だけど大丈夫なのか…?と一抹の不安を抱えつつも)
「Muchas gracias!(=どうもありがとう)」
と言うと、みんな
「De nada.(=どういたしまして)」
と返してくれる。
「De nada.」は「どういたしまして」なのだけど、ニュアンスとしては「You're welcome.」よりも「No problem.」に近く、「いいからいいから」といった感じがする。グアテマラの人はみんな優しいのだ。
女一人でハイエースに乗り込むのはなかなか勇気が要った。なんか拉致されそう…とうっすら不安に。でも、中に小さな子どもが乗っていたことで少し安心。料金も特にぼったくられることなく、Q3.5でちゃんと着いた。
帰りはなぜか大きなバスがあり、謎の多い仕組み。臨時便みたいなもの…?
日曜市へ
たまたま訪れた日に日曜市が開かれていたため街はすごく賑わっていた。グアテマラの市は日本でいうところのお祭りのようなものなのかな?子供からおばあちゃんまで、みんなきれいに着飾っていた。ただ単に買い物をしにきたというより、交流の場のようにも見えた。
▷おばあさんたちも、とってもオシャレ!
先住民の村で写真を撮るのはとても嫌がられると聞いていたし、大きなフィルムカメラは持っているだけで目立つので、実はとても緊張していた。シャッターを押されると彼らは「魂を取られる」と感じ、ボコボコにされることもあるらしい。…とまことしやかな噂があったのだ。
でもこの旅に来てまだ3日しかたっていないけれど、「案ずるより産むが易し」「百聞は一見にしかず」とは本当だなぁ、と思う。
確かにカメラを嫌がる人もいるけれど、それはこの国だから、この民族だから、ではない気がした。どんな国だろうと人の顔を許可なしにいきなり撮ることはできないと思う。
「魂が取られる」という説は必ずしも正しくなかった。特に店を出している人は笑顔で写真を撮られてくれるし、子どもたちもけっこう喜んで笑ってくれる。
写真におけるコミュニケーションの大切さを初めて痛感した。笑顔を作ってみる。笑顔で応えてくれたら半分OKサイン、しかめっ面だったらNGサイン。「写真、撮ってもいいですか?」と聞くと、嬉しそうにしてくれることもけっこうある。
青空コインランドリー
そうそう、グアテマラの田舎のほうではみんな手で洗濯をする。だから街の中に公共の洗濯場がある、まるでコインランドリーのように(たぶん無料だけれど)。
▷洗濯場、けっこうカッコいい。
サンタマリアの洗濯場でも数人が洗濯をしていて、一緒に洗う真似をしていた小さな女の子と仲良くなった。近くにいた女性(母親?)にも許可を撮って撮影した。
グアテマラの宝物のひとつが「人」であることは間違いなく、図らずもこうして写真を撮る術のようなものを学んでいる。旅を思い描いている段階ではわからなかったことだ。
しかも、写真を撮りたい場所に辿り着くのにもコミュニケーション(スペイン語)が必要なので、いろいろと一緒に成長していける気がしている。
これまではNYやヨーロッパなど、有名な建築を探してまわる旅をしてきたので、なんだかとても新鮮だ。有名な建築がほとんどない国を歩きまわり、写真を撮る喜びは、あまり想像できていなかった。
(2013.04.15)