なぜ、グアテマラへ?

「なぜ、グアテマラへ行ったの?」


いろんな人にされる質問だ。

私だって(知り合いがグアテマラに行っていたら)そう思う。だから、その理由についても書いておこうと思います。


ブログのタイトルにあるように「ここではない、どこか遠いところに行ってみよう」。そう思ったのは確かだけれど、実は紆余曲折があります。

悩みがちだった当時


思えばあの時期(今から5年前)、色々と行き詰まっていた。大学の卒業制作を途中で放棄し、留年した。自分は何がやりたいんだろう?とか、建築の何が好きなんだろう?とか、将来的にどうしたいんだろう?とか…世間一般の大学4年生らしいモヤモヤを抱きすぎた結果、なんだか上手くいかなくなってしまった。

遠くへ行くことがその、直接的な解決になると思ったわけではない。でも、(どうせ留年+休学してしまったわけだし)今のうちに遠くに行っておきたい。当たり前でない世界を歩いてみたい。そんな思いだった。


世界一周?


まずは世界一周を考えた。

でも世界一周にかかる費用と時間を考えると、現実的ではなかった。休学中に実質使えたのは2ヶ月程度、駆け足で巡るのではあまり意味がない気もした。

さらに、費用をほぼ負担してくれた私の両親が出した条件が「語学留学という目的をつけること」だった。今思えば…迷いがちな私に対し、旅費を負担してくれたこと自体が奇跡的だと思う。だがそんな優しい両親にとっても「休学してフラフラ旅をする」という事実は許しがたいものだったのだ。だから…目的、というか「拠点」を持つ形でないと駄目だと言われた。


スペイン語留学?


私は以前、大学でスペイン語を第二外国語として選択していたので、最初はスペインを候補地に考えた。地中海を拠点にヨーロッパ、トルコやモロッコなんかにも行ってみたいなぁと考えていた。

でも…スペインの語学学校は、高かった。マンツーマンではなくいわゆる教室型の授業で、はっきりと覚えてないけれどグアテマラのマンツーマン授業の何倍もした。それに、スペインで生活すると生活費も日本とそう変わらず高いだろう。

正直に言って、親に条件を出されたものの「語学留学」にすごく興味があったというより、あくまで拠点づくりの口実のような意味合いが強く、そこにお金をかけることには釈然としない思いがあった。何より、

スペインが「遠いところ」なのか…?

と考えると、なんとなく違う気もした。


「な、なんて適当な理由なんだ!」と思われるかもしれないけれど、当時の自分にはあまりしっくりこなかったのだ。


メキシコ&グアテマラという組合せ


しばらくして……調べていてどう辿り着いたのか?どちらの国が先に念頭にあったのか?もはやそれすらも思い出せないけれど、

「メキシコの大地を這うような旅がしたい。そして、バラガンの建築が見たい」

と、

「グアテマラでスペイン語を勉強しよう。見たことのない、想像もできない国で」

という、二つの考えがピタッとはまった。直感的に「あ、これだ!」と思った。


おそらくメインとなって私を引っ張ったイメージは「メキシコの大地」だ。メキシコという名前は知っている、でも詳しくは知らない…何となくアメリカを横断するのに似た広大なイメージがあるけれど、でももっとエキゾチックで未知の国。そこに、バラガンの建築があるんだ…!と、想いがふくらんだ。

補足すると、バラガンとはルイス・バラガンというメキシコ出身の建築家で、私はこの人の作品を知って建築を志したほど大好きな建築家の一人です(もちろん今も)。

カーサ・バラガン

カーサ・バラガン


それに対して、当時のグアテマラに対するイメージは…実はほぼ「無」だった。コーヒーの名前、というのが多くの人の認識だろう。それ以上でもそれ以下でもなく。かといってそのコーヒーが熱烈に好きなわけでもない。

私もそうだった。


だからグアテマラは当初、メキシコにくっついてきた「おまけ」だった。どうやら世界一周旅行者がスペイン語を習う拠点にするらしいぞ、という情報をネットで得て、物価も安いしいいんじゃないか?と…その程度だった。

少しずつ調べていくうちに「民族衣装がすごく美しいらしい」と把握したものの、なんせ情報の少ない国だった。うまくイメージができないまま、でも「(スペイン語圏である)メキシコを旅するためにも」という、すこし不純な動機でグアテマラ行きを決めた。


そもそもグアテマラってどこ?


…という方はかなり多いかと。

アメリカの南にくっついてるのがメキシコ、その南東にくっついてのがグアテマラです。


もっと多くの人に知ってもらいたい


以上がグアテマラ、そしてメキシコ行きを選んだ理由です。今思えばなんともアバウトな考え方だった。

けれど、遠いところに行く!という果てしない期待感はあった。

そして…

今なおこの旅は、私の記憶に色鮮やかに残る大切な宝物となった。多くの人が知らないであろうこの二国の姿を、写真と言葉で残しておきたい。そんな使命感があって、今ブログを書いています。



▽5年前のグアテマラ旅行記をいま書くに至った経緯、使用したカメラやフィルムについては、こちらにて。