Día 11-1. 毎日を丁寧にこねこねする

2013年4月21日。スペイン語学校がお休みの日曜日、タカさんが近郊の村ツアーに連れて行ってくれた。参加者は私を含め4人。少なめ人数でまわりやすかった(私は集合のたびに遅れがちだった。すみません…) 。

▽タカさんについてはこちらに。

坂道の多い市

最初に向かったのが、Nahuala(ナワラ)という村。

日曜日は定期市が開かれている。ものすごい人混み!今までいろんな青空市に行ったけれど、ここまで道が狭く歩きにくい市は初めてだ。


▷バスを降りて歩く


▷こんなに坂がちの市は初めて

グアテマラの市の主力商品は、 野菜、果物、生花、穀物 、屋台(フライドチキン、トルティージャ、フルーツなど) 、電化製品(中国製かな?日本に比べればだいぶ時代が古い) 、布製品、糸 、洋服や靴(古着)。小さな村の市で売られるものはどこも似ている。


▷女性の民族衣装、とても美しい織り模様

マリアの家へ

その後、ナワラで織物を生業としているマリアさんという女性の家へ。

マリアはタカさんの知り合いで、よくタカハウスに布を売りに来る(廊下にどさっと無造作に積まれているので最初は売り物だとは知らなかった)。


初めて、グアテマラの先住民の方の家にお邪魔した。建物は石積みが多いようだ。家の中はとても暗く、おそらく昼間は照明をつけないのだろう(夜はさすがにある…?)。室内の床は土のままに見えたけれど、内と外の境界が曖昧だから、土間を打ってあっても土だらけになってしまうのかもしれない。


マリアの家では織物教室も兼ねてホームステイを受け入れているらしい。でもベッドの「いかにもノミがいる」状態を見て、怖気付く人が多いんだとか(ちなみにグアテマラのベッドは、基本的にノミがいると思っておいた方がいいです。気にする旅行者はノミ対策シートを持参している。私はそのまま寝ていたけど…時々かゆい気がした…) 。

織物の機械はとても立派だったし、この家がどの程度の階級に属するのかなどまったく見当がつかないけれど、日本でここまでの貧しい家というのは見たことがなく、タイムスリップしたような気分だった。

台所は、食卓の真ん中に鉄板があり、その下に薪を入れて火をおこすらしい。このような設備で、何不自由なく暮らしているんだなあ。日本でも、農家なら今でもそういう家があるのだろうか?


▷家には小さな男の子と女の子、そして鶏(卵用?食用?)がいた。


▷売り物の布を広げて見せてくれた

暮らしの細やかさについて考えた

日本に生まれ育った私たちに、このような家で生活することがはたしてできるんだろうか。と、ときどき思う。そういうテレビ番組はよく見るけれど…。実際に目にすると、正直自信がない。

知らないということは時に幸せだと思う。便利な道具、便利な生活を知ってしまったら、もうなかなか戻れない。


彼らはきっと、私たちの何倍もの細かさや優しさをもって、生活の細部をこね続けているんだろう、と考えていた。流れてくる情報が少ない分、身の回りの全てのものはもっと濃密に映るんじゃないだろうか?

昔、友人と話していたのだけど、

得られる情報量というのは誰でもみな一定なんじゃないだろうか。

たくさん情報を得ているように思う私たちは、そのぶん情報の表層しか摂取しておらず、情報をあまり得ていないように思えるグアテマラの先住民の人たちは、日常のささやかなものまでしっかりと捉える目を持っているんじゃないか、と。


日本に住む私たちが得る膨大な量の情報が、ふと、遠いものに思えた。


(Apr. 22, 2013)


▽続いて「スニル」という美しい村へ。